鍜治田流ビジネスモデル

0
724
鍜治田流ビジネスモデル

■診断士のビジネスモデルとは

「頑張って診断士の資格を取得した。将来は独立したいけれど、どうやって仕事を受注すればよいのだろう」
「開業したけれど、なかなか軌道に乗らない。何を変えたらよいのだろう」
独立を目指している方、既に独立開業した方の中にはこのような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
一言に診断士と言っても活動するステージは幅広く、皆さん様々な分野で活躍しています。
反面、他の士業のような独占業務がないため、顧客からサービス内容が理解されにくい側面もあります。そのため、ビジネスの仕組みをつくらないと 継続的に仕事を受注していくことは困難です。
今回は私がどうやって仕事を受注し、そして顧客から評価を得てリピートに繋げているのか、鍜治田流のビジネスモデルを紹介します。

鍜治田流ビジネスモデル

■診断士に必要な3つの仕組み

診断士のビジネスを安定して続けていくためには、3つの仕組みを構築することが必要だと考えています。
1.受注モデル(フロー)
2.成長モデル
3.売上管理(≒稼働管理)
それぞれの仕組みについて、詳しく見ていきましょう。

1.受注モデル(フロー)

受注モデルとは、どのように仕事を受注するかの流れを示したものです。

経営戦略

受注モデルのポイントは以下の3つです。
① 発掘案件(問い合わせ件数)をいかに多くするか
② 受注率をいかに上げるか
③ 継続率をいかに高めるか
そして、それぞれを測定し定量的に管理しています。定量化していくことで、受注状況の変化に対応しやすくなるので

① 発掘案件(問い合わせ件数)をいかに多くするか

まずは、案件を発掘しなくてはいけません。そのためには情報発信を積極的に行うことが必要です。
FacebookなどのSNSやHPの活用、またリアルな場での出会いも大切にし、自分の情報を発信して潜在顧客にアプローチしていかなくてはいけません。
後ほど紹介する書籍からの抜き書きや、新聞・雑誌の切り抜き、テレビ番組の情報など、自らのインプット用ツールも情報発信に活用できます。
このように、情報発信を積極的に行い、問い合わせ件数を増やしていくことが大切です。

② 受注率をいかに上げるか

受注率を高めるためには、やはり企画書が肝心です。コンサルタントが具体的にどのようなことをやってくれるのか、依頼するとどのような効果があるのかなど、顧客にコンサルティングサービスのイメージを喚起させるような企画書にしなくてはなりません。
顧客に具体的なサービスのイメージを持ってもらうために、図表や写真などを使い資料をビジュアル化するのもよいでしょう。文章だけでイメージを伝えるのは大変です。
また、特に大企業を相手に提案を行う場合は実績が重視されるので、自らの過去の実績を企画書に記載することも必要でしょう。
企画書を提案する際に気を付けなくてはならないのが、顧客と「前提をそろえる」ことです。
経営者が会社を今後どうしたいのか。何を問題と考えているのか。そのような「前提」を相手とそろえた上で課題を設定していかなくてはいけません。
前提をそろえていないと、仮に受注ができたとしても、後々お互いの方向性にズレが生じ、相手の期待を満たすことができなくなる可能性もあります。
提案の段階で、自分と顧客の現状認識や今後の方向性などの「前提」をきっちりとそろえることが重要です。

③ 継続率をいかに高めるか

受注した後は、顧客にいかに継続して継続してもらうかを考えなくてはなりません。継続してもらえないと、また1から新たな顧客を探さなくてはなりません。継続率が低いと収益も非常に不安定になってしまいます。
では、継続率を高めるためには、どうするべきなのでしょうか。
継続率を高めるポイントは「やりすぎ」なくらい顧客に価値を提供することです。
「このコンサルフィーなら、支援はここまで」というような線引きをするのではなく、フィー以上のものを提供するのです。そうすることで、顧客は期待以上の価値を受け取ったと感じ、また継続して頼みたくなります。
無料でやりすぎても文句を言われることはありません。顧客にとって価値があることであれば、費用対効果は考えずに積極的に提案しましょう。

2.成長モデル

続いては2つ目の仕組み、成長モデルについてです。
診断士が事業を拡大していくには、自分が成長していくことが不可欠です。診断士は新たな知識や知見、スキルを会得することで顧客に提供できる価値が増え、事業ドメインが広がっていきます。
すなわち「自分の成長=事業ドメインの拡大」なのです。
よって、診断士として長く活躍していくためには、長期にわたって自分を成長させていく型(=成長モデル)を作らなくてはなりません。
・鍜治田流成長モデル
鍛冶田流の成長モデルでは①学ぶ・体験(インプット)、②試す(実践知化)、③商品化(形式知化)の3ステップを回していきます。

経営戦略

① 学ぶ・体験(インプット)

まずは定期的なインプットを行うことです。具体的には以下のようなことを行うようにしています。
・本を読み内容を整理。重要な部分はパワーポイントにまとめる
→研修資料の元データや顧客への情報提供として活用
・新聞や雑誌を切り抜き、パワーポイントにまとめる
→顧客への情報提供として活用
インプットを行う際には2つ注意すべき点があります。
ひとつ目は成功・失敗事例の要因を分解して考えることです。
本や雑誌、テレビ番組ではさまざまな企業の成功・失敗事例を知ることができます。ただ、その成功・失敗事例がどんな場合でも当てはまるとは限りません。そのケース企業の業種や規模、置かれた環境などの「前提条件」を明確にしておく必要があります。
例えば、地方都市の地元密着の地場スーパーにスターバックスの成功事例を当てはめれば、上手くいくでしょうか。参考になる部分はあるかもしれませんが、立地や企業のスタンスが全く違うので、そのまま応用することは難しいでしょう。
成功した(失敗した)ケースの「前提条件」は何なのか。そこを把握しないと実務に応用することはできません。
ふたつ目は自分の知識のレベルを意識することです。
知識を「知っている」と言ってもそのレベルには段階があります。
・単に知識を見聞きしただけのレベル(レベル1)
・概念まで理解し、説明することができるレベル(レベル2)
・知識や概念を現場に導入できるレベル(レベル3)
自分の知識がどのレベルなのかを把握することが大切です。
自分の知識がレベル1なのにも関わらず、顧客に対しての提案に組み入れてしまっても、実際の現場で使いこなすことはできず、顧客を失望させてしまうかもしれません。
対象分野における自分の知識レベルが現状どこなのか。きちんと意識して把握しておくようにしましょう。

② 試す(実践知化)

次にインプットしたことを実際の現場で試します。
ただインプットしただけの知識では他の人と差別化することはできません。一般に公開された情報は誰でも調べれば知ることができます。
しかし、それを実際の現場で試してみて、さらに深い知見を得ることができれば、それは他者には知ることが難しい「実践知」となります。
このような「実践知」が自分の商品の基礎となるものです。得た知識は現場でどんどん試していくことが必要です。

③ 商品化(形式知化)

最後のステップとして、学んだ知識や経験をコンサルティングや研修企画、書籍などの商品に変えていきます。インプットをそのまま商品にしても顧客に価値を感じてもらえる商品は作れません。インプット→実践というステップを踏み、自分の「実践知」を蓄えていくことで、自分独自のオリジナルコンテンツを作ることができます。価値のある商品を作るためには、まずは現場での実体験を増やしていくことが必要です。
このようにインプット→実践→商品化のサイクルを回していくことで、自分を成長させることができます。そうすることで、より多くの顧客に対して価値を提供できるようになり、自分の事業ドメインを広げることができます。

3.売上管理

診断士に必要な3つの仕組み。最後は売上の管理です。
年間の売上見込は一覧にして、いつ、どれだけの売上が得られる見込みなのか、見える化しておきましょう。
売上管理が必要な理由は3つあります。
まず一つ目は、稼働管理のためです。診断士の仕事は労働集約的であり、自身の稼働状況を管理する必要があります。売上管理を行うことで、同時に「その月にどれくらい稼働しなくてはいけないか」を見える化することができます。
稼働見込が見えるようになることで、自分の稼働率を適切に管理することができます。
二つ目は「いつ、何を仕込まなければならないか」が明らかになることです。売上見込が少ない月があれば、その前に仕事を仕込まなければなりません。売上管理をしていなければ、その月になって初めて「今月は売上が少ない」と気づくことにもなりかねません。そのようになってから対策を立てても手遅れです。
年間の売上見込を立てていれば、事前に対策を打つことができます。
三つ目は自分の精神安定につながることです。独立してしまうと、会社員のように毎月決まった収入を得ることはできません。月次での売上は大きく変動するので、売上見込を管理していないと、不安ばかりが募ることにもなりかねません。
年間の売上見込を見える化し、先の見通しを明確にすることで、無駄な不安を感じずにすみます。

■自分の「仕組み」を作ろう

診断士が顧客を獲得し、安定した売上をあげていくには「仕組み」を作らなくてはいけません。その際には自分の「強み・弱み」や「ありたい姿」を踏まえて仕組みを構築していくことも考慮しなくてはいけません。
今回は鍜治田流のモデルを紹介しましたが、みなさんも参考にしながら、自分のビジネスモデルを構築していきましょう。